〜〜忘れられない昨年1月24日、そして一年後の24日。夫の遺したものとともに。
稲田陽子
昨年の1月24日と言えば、夫と私が神戸の清水さんご夫妻の運営するサラシャンティに駆けつけ、夫が8時間ぶっとうしで熱のこもった講演をした日であった。それまでの仕事や旅の疲れなど忘れたかのように、常人のエネルギーでは想像できない気のパワーの入った話が朝から夕方まで続いた。なぜあれほどのエネルギーが出せるのか、不思議なほどであったが、夫は、渾身の力をこめて、呪縛からの解放を話したのだった。だから、夫が一年後には天の道に逝くなどだれが信じたことだろう。
しかも、この1月24日というのは、講演内容にあるようにカタカムナを伝えた楢崎皐月が、平十字から図象符をもらい書き写し始めた第一日目にあたると、夫が講演内容にも重なるその偶然の日付の一致を喜ばしく受け取り、それがさらに夫に力を与えていたのが無性にこころに残る。
夫の使命は、おそらく自らを顧みずに、時代が求める何か大切なものを人々と共有することだったのかもしれない。というのも、もしも、夫が、自らの著書「ガン呪縛を解く〜千島学説的パワー」に書いてある通りの生活をしていたら、絶対にガンは完治していたはずだからである。
それは、2008年にソマチッド基金による訪問団として私たちがガストン・ネサーンの研究所を訪ねたとき、ネサーンさんが、ソマトスコープでガン患者である夫の血液を天然のままの状態で観察されて、そこで明らかになったことがあったからだ。つまり、夫の血液にはソマチッドの変容の最終段階である葉状体がひんぱんに見られ、他の変容したソマチッドが見られない。これによって夫のガン治癒への高い希望が内在しているのがわかるということだ。
この葉状体というのは、変容したソマチッドのいわば抜け殻のようなもので、免疫力が高まり、病が治癒するときには「良い知らせ」としても考えられるらしい。夫の場合は、他の変容したソマチッドが見られなかったのだから、当然ネサーンさんは、夫の血液の全体像を良い状況として捉えられていたわけである。
確かにこのまま夫が千島学説的な方法論を崩さない生活を実践していたら、いまごろは、本当に完治していたことは間違いないことである。私だけでなく、夫も同様なことを思っていると思う。
しかし、人間というのは、さまざまな個性と使命を担ってこちらの世界に来ているのだと思えば、夫自身は、完治することにそれほどのこだわりをもたずに来た魂だったのだろう。それ以上に、夫がこだわったのは、自分がガンに罹ることで人々の呪縛を共有し、解放の道を見出すようにシェアすることだったのではなかっただろうか。
それは古めかしい自己犠牲の精神ではなく、苦しみある人とシェアすることで別の道をまた共有しあうことである。そうして、世の中は少しずつ高く変容していくのだから。ガンに限らず、共感を共有することで、世界は本当に変わりうると思えるスピリットを有していた魂だから。その意味で夫は、種を撒きに来た魂だったのだと私は思っている。
昨年から一年が経った今月24日は、夫、稲田芳弘の14日法要の日だった。この日は昨年生まれたての「じあいの集い」が東京で定例会を開いた日でもある。これは、「まちのすみか」(NPO法人)の青木さんの企画から誕生したもので、じあいネットの兄弟姉妹編とも言える。夫の意思を有意義に伝えながら、ガン患者の方たちが互いに情報を交換し、ガン治癒を目指すために勉強をする集いである。
実は、くしくもこの集いの24日に、夫の兄が、昨年1月24日の夫の講演録である先述のDVD2種類を集いの席で紹介したのであった。こんなことは、誰も予想もしていなかったが、ことによると、潜在意識では夫は、すべて計画通りにことを進めていたのだろうか。さまざまなことが明らかになり本質が露になったあの予期せぬ新宮での出来事も含めて。
本物は何か、真実とは何か。夫が終世追求したテーマである。決して小さなことにこだわらず、また妥協もせず、常に大局へ眼差しを注ぎ、自らの運命すらシェアしようとした生き様は、まさにジャーナリストの概念を超えてしまったとも思える。
その夫は、「闘病」を通して、多くの現実的な課題を置いていった。まずは、代替医療、統合医療、そして病院医療に関わることである。夫が言うように、どれもこれも、呪縛だらけであり、重い課題を内包している。その中で、夫は、自らの使命に最も忠実に計画通りにガンとそれにまつわるすべてと運命的とも言えるシェアをしたのではなかったか。「起きることすべてに意味がある」それが、夫の口癖だった。
どんなに私が夫を案じようが、夫は、私には夫の生き様を共有することを最も望んでいたのだろう。意識ある最後まで、夫は、私の手を離さず握り続けていた。そうやって伝えたかったもの、それは、あまりに重たく、辛いが、そこに光と希望を見出さなければならない。
追悼のDVD「ガン呪縛を解く」「不安呪縛を解く」は
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