〜〜〜〜存在論的魂の医療進化論へ
・・・・・稲田陽子
第1章 私の「ミレニアムの奇跡」物語
〜潜在性膵臓ガン宣告?とホメオパシー
その四
新築の家特有の匂いは、その後数年は続いた。そのころはまだ一般に化学物質過敏症もシックハウス症候群も知られていなかったので、私もそれほど深刻に受け止めてはいなかった。後に、環境や福祉、平和などをテーマにしたオルタナティブペーパー「エコろじー」が(夫が代表の)自社企画として発行され、私自身記事を書くころになるまで、ホルムアルデヒドやトルエン、キシレンなどの「環境ホルモン」の深刻さをきちんと理解するべくもなかった。その取材ではじめて重症の化学物質過敏症の患者さんや専門の医師の方とも出会って、多くの情報を得ただけでなく、それにまつわる社会的な封印なども知るようになったのだ。ちょうどホメオパシーと出会う二月くらい前の話であった。
この重症の患者さんを通して、私は、シックハウスだった新築当初の状況と自分自身の健康状態をパズルをはめるように結びつけることができた。実は、この取材は、私だけでなく夫も深く関わり、結局、夫は、この家に保存されていた化学物質過敏症についての書籍を借りてきて、読みふけり、体調にひどい異変を引き起こしたため、救急車で入院した経緯がある。シロアリ駆除剤であるクロルピリホスの被爆が原因であった。私は喘息になるからと、本には近づかなかったのに、夫は、アレルギー体質ではないと過信してしまった。
話が横道にそれてしまったようだ。この詳細については、後に譲ることにしよう。
私は、自分が半健康状態になっていても、新築当初はまったくその原因を知る由もなく、あるいは、暖房のために家が乾燥しているためではないかと、その程度にしか考えていなかった。しかし、年々、症状は、重くなり、何度も気管支炎から喘息を併発するようになると、その苦しい発作のために窒息しそうになり、夜中に救急病院に行かざるを得なくなる。
なるべくなら、自然治癒力で治したいと思うタチの私でも、いったん喘息の発作に見舞われると、それどころではなかった。夫が、激しい咳が続いた後には息が出来ずゼーゼーと苦しがる私の背中をさすってくれたり、整体をしてくれても、発作は、おさまるどころではない。ところが、この点、夫もまた私と同じでカワッテいる(笑い)のだから、どうしようもない。ぎりぎりまで二人で「自然治癒力」の理想をかかげていた。漢方系の風邪薬は飲んでいたものの、しかし、喘息の発作には、千島学説も天真療法も東洋系医療など何の役に立つものかと、絶望的になる私を、夫は、ともかくも頑張らせようとする。
それも、二日以上も続けば、私の体力も気力も限界を感じ始めてくる。私も、喘息の発作の最初の日くらいは、上半身を丸めながら起こした状態で時折苦しいながらも仮眠を取ることができる。まして、発作を起こすのは、寝ていて痰がたまってしまう夜中であり、朝になって、普段通りに起きてしまったら、まだしも軽快するのを理解していた。
とうとう我慢できなくなったのは、喘息を起こしてから、三日目くらいだっただろうか。睡眠不足は体に堪える。その夜中、夫も、私の発作につきあってくれていたが、やはり睡魔には勝てない。私の方は苦しさで無我夢中で、世の中で普通に息が出来る人すべてがうらやましいほどだったが、すっかり疲れて爆睡している夫を気の毒なことに起こして、ともかくも病院に連れて行ってもらったのだった。そしてその病院で処方されたテオドールで私の日常は夢のように楽になった。風邪も治り、対症療法の絶対的勝利となったかに見えた。
つづく
ガン!その愛の進化とスピリット〜連載その四
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: ガン!その愛の進化とスピリット〜連載その四
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://blog-admin.kitaguni.com/mt-tb.cgi/215


コメントする