歌手の川村カオリさんが7月28日に亡くなったと報じられました。
川村カオリさんのことはそれほどよく存じてはいませんでしたが、
彼女が歌う「翼をください」という曲は大好きでした。
報道によれば、2004年に乳ガンが見つかったため、
すぐに左の乳房を全摘して、抗ガン剤治療を受けたとか。
そのときは「完治」と思っていたのに、去年の1月に再発、そして転移。
再び抗ガン剤治療が開始され、ついに亡くなってしまったのです。
こういうニュースを聞くたびに、悲しい気持ちにさせられます。
まだ幼い娘を一人残しての、わずか38歳での無念の死…。
ガンは、いえ「勘違いによるガン治療」は、本当に罪深いと思います。
訃報を機に、川村カオリさんの記録を調べてみると、
デビュー当時の若くピュアな表情が、ガン治療を受けたあとには、
とても疲れた感じの、寂しそうで悲しそうな表情に一変していました。
特に以下の曲の最後の涙目は、深く強〜く心を揺さぶるものがあります。
★バタフライ ~あの晴れた空の向こうへ~
http://www.youtube.com/watch?v=Ga5pahWxUxU&feature=fvw
しかし、こうした不幸は決して川村カオリさんだけのものではありません。
圧倒的多くのガン患者が、たえず不安におののき、深く胸に恐れを抱き、
自らの過酷な運命に不条理を感じながら生きているのです。
川村さんは自らがガンになったことにより、ピンクリボン運動をされたようです。
マンモグラフィによるガン検診で、早期発見、早期治療をしてほしいと。
早く「発見」することも、早く「治療」をすることも、
基本的に、決していけないことではないと思います。
しかし、もしもその「発見」がガン患者に不安と恐れとおののきを与え、
その「治療」が死に至るアリ地獄に飲み込まれる入り口であるとしたなら、
早期発見・早期治療は「人生の不幸」以外のなにものでもありません。
川村さんの訴えがあまりにもピュアであるだけに、
ふと、そんなことを考えてしまいました。
こうした訃報に接するたび、いつも思うことですが、
誰も「ガン治療」そのものについて全く何もコメントしていません。
「ガンだったんだから、可哀想だけど、仕方ない」
それがたぶん、一般の認識なのでしょう。
それが「社会的空気」だからでしょう。
だからこそ恐いと思います。
これだけ完璧な「ガン呪縛」に陥っている、この時代と、この社会が…。
川村カオリさんは自らが歌う『翼をください』を通して、
以下の言葉を、心の底から噛みしめたにちがいありません。
今 私の願いごとが
かなうならば 翼が欲しい
この背中に 鳥のように
白い翼 付けてください
この大空に 翼をひろげ
飛んで行きたいよ
悲しみの無い 自由な空へ
翼はためかせ 行きたい
http://www.hi-ho.ne.jp/momose/mu_title/tsubasawo_kudasai.htm
同じように、
「この大空に 翼をひろげ 悲しみの無い 自由な空へ
翼はためかせ 行きたい」と心から願いながら、
しかし多くの方々が亡くなっていきます。
これまでに、いったい何人の方とサヨナラしてきたことでしょうか。
実は先日も、ある方から訃報を告げるメールをいただきました。
お母さんが、ついに亡くなってしまったというのです。
そのお母さん、そしてメールをくださった方(娘さん)とは、
これまでの数ヶ月間、何度も電話でお話しし、メール交換し合ってきました。
それだけに、やはりショックです。
すぐに返信したいと思いながらも、まだ言葉が見つかりません。
いまぼくの心に浮かんでくるものは、「死を生に!」ということだけ。
亡くなった方の死が実は「新たな誕生」であることを本当に知り、
その方の死を、いまガンで苦しんでいる多くの方々の「蘇生」につなげたい!
それがぼくのささやかな仕事ではないかと思ってみるだけです。
ガンという病気は、とても不思議な病気です。
「ガンの真因は気血動の不調和」と千島先生は言いますが、
その真因を自分の内側に具体的にはっきりと見つけ出すときに、
そこからたくさんの「気づき」と「人生の恵み」が得られるからです。
このことは、決して単なる思想や一般論ではありません。
ぼく自身がそのことを、実際にリアルに体験してきました。
ぼくがガンになったのは、当然といえば当然のことでした。
ここ数年間のことを振り返ってみるだけでもその「理由」が見つかりますし、
それだけでなく、自らの過去生、あるいは人類史的・宇宙的?な意味からも、
ぼくはガンになるべくしてなったのだということがよく分かります。
このことは「ガン宣告から4年…」の記念?CDでも少し語りました。
http://www.creative.co.jp/top/main3688.html
http://www.creative.co.jp/top/main3674.html
http://www.creative.co.jp/top/main3676.html
ガンが実はとてつもない恵みであったことが、よく分かります。
そしていま、「ガン呪縛」の問題をさらに拡大し(あるいはその核心?)、
いま日本中を覆う「不安呪縛」の問題にも触れ始めています。
そしてこのことにも、深い意味があるような気がします。
川村カオリさんの訃報は、このまま忘れてしまうわけにはいきません。
今朝しみじみと『翼をください』を聴き、
『バタフライ ~あの晴れた空の向こうへ~」を聴いたのも、
きっとなにか意味のあることなのでしょう。
「翼=バタフライ」
「大空に翼をひろげ 悲しみの無い自由な空へ 翼はためかせ 行きたい」
それも、「あの晴れた空の向こうへ」…。
これは決して「死」を意味するものではありません。
「ガン呪縛」から解かれるとき、そして「不安呪縛」から解放されるとき、
誰もが必ず心に深く感じることができる希望と喜びだと思います。
稲田芳弘


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